インバウンド担当者の方へ。中国人向けインバウンド・プロモーションの最初の三歩

訪日中国人を取り込む意義

中国からの観光客の皆様は、観光業たるわたしたちにとって決して無視することのできないお客様です。

JNTO(日本政府観光局)による最新の訪日外国人統計データによれば、2018年になってから中国からの観光客数は最高数の71万6,333人(2月)に達しており、日本政府投資銀行によるレポート「中国人の海外旅行の拡大と旅行先のしての日本」にもあるように、特に購買また観光地における各種消費の両面で中国からの観光客は突出しており、これらの上客な中国人の皆様をインバウンド・プロモーションによりどう最大限取り込むかが今問われています。

中国人インバウンド・プロモーションの第一歩:まず己を知ること

インバウンド・プロモーションの第一歩は、まず己を知ること。つまり自社商品や自社サービスがどの程度中国人観光客のニーズなりベクトルなりにシンクロしているかを知ることにあります。

簡単な方法としては、自社商品や自社サービスを中国語で「百度」(中国の検索エンジン)で確認するなり「淘宝」(中国最大のECサイト)で検索するなりすればいいのですが、多くの場合さらにもう一歩、自社商品や自社サービスを深掘りして精査するかしないかが結果に大きな違いをもたらします。

実例として「カステラ」を売りたいような場合、中国語で検索し類似商品が検索上位に引っかかっていると安心しているようでは、実際は片手落ちです。ダイヤモンド・オンラインのコラム「中国で日本の「どら焼き」や「カステラ」が売れない理由」にあるように、中国人は日本人の好むカステラのあの「生卵の臭み」を嫌うため、ことによると商品企画そのものを一からやり直す必要さえあるかもしれません。

参考記事:http://ascii.jp/elem/000/001/570/1570006/

一方で自社製品や自社サービスがまさに中国人観光客のニーズなりベクトルなりにしっかりシンクロしている場合、今度はそれらをいかに提供するかが大きな課題となります。

中国人インバウンド・プロモーションの第二歩:いかに「おもてなし」するか

インバウンド・プロモーションの第二歩は、中国からの観光客をいかにおもてなしすれば喜んでもらえるのかを知ること。いわば「敵」をよく知ることにあります。

幸い、この点での日本企業側の試みは多くの場合中国人観光客の皆様に喜んで受け入れてもらえるものの、この部分で競合他社との差別化を図るのはそれほど容易ではありません。

先程の卵を例に話を続けると、ある旅館は朝食に生卵ではなくゆで卵を中国観光客に供することで既存の手順にひと手間を加えた簡単かつリーズナブルな「おもてなし」により一定の成功を収めるかもしれませんが、それとて朝食をバイキング形式に変更し同時に中国人客の食の志向に合わせ絶えずグレードアップを図る競合ホテルには、大いに後れを取ることになるでしょう。

ではもし自社製品やサービスに自信を持つことができ、かつ必要十分な「おもてなし」によりそれらを提供する準備も整っているのであれば、さらなる一歩として効果的な広告を打つ準備が整ったことになります。

インバウンド・プロモーションの第三歩:いかに広く知らせるか

プロモーションつまり広告宣伝が勝手に独り歩きしてしまうのは当然避けなければならないものの、広告宣伝なしでは勝機があるにもかかわらず全くの負け戦に終わりかねません。ここでキーワードになるのが「中国語」と「信頼」です。

というのも中国人の多くは日本語が分からず、何事も合理的に−つまり理に照らして早く簡単に物事を決めたがる傾向にあります。それで多くの中国人観光客が確かな情報源として、中国語で書かれたガイドブックなりパンフレットなりチラシなりを最低限必要としているわけですが、それだけのインバウンド・プロモーションでは正直まだ足りません。

日本に来る前の旅マエの中国人観光客を確実にアプローチしつつ、自社商品また自社サービスの前までお連れする上で、日本国内での中国語のインバウンド・プロモーションが必要です。いわゆる旅マエから旅ナカにつなげる連動的なアプローチが必要ということです。

では実際にどんなインバウンド・プロモーションが一番効果的かつ信頼されるのでしょうか。

実のところ少なからぬ日本企業が、このインバウンド・プロモーションの一番の肝ともいえる部分で及び腰になってしまい、外注で形だけ簡単に済ませてしまうか全く何もしないのです。逆に言えば中国において中国語で信頼を勝ち得るようなインバウンド・プロモーションが打てるなら、大いに勝算があるということです。

具体的なインバウンドプロモーション方法に関しては、各企業によって最適な方法が異なるため、気になる方はお問い合わせください。

まとめ:インバウンド・プロモーションのための最初の三歩の手順は欠かせない

簡単に言ってしまえば、自社製品またはサービスは中国人観光客にも絶対にウケると思う、できるところで「おもてなし」もする、といった程度では、インバウンド・プロモーションは成功しません。逆に前述の日本政府投資銀行によるレポートにあるように、上海と北京において適切なインバウンド・プロモーションを打てるなら、訪日中国人観光客の実に3分の1以上に対する訴求が可能になります。

もしあなたが中国人観光客向けの集客・インバウンド担当になったばかりのインバウンド集客初心者の方なら、まずはここで述べた最初の三歩の手順を自社がきちんと踏めるかどうかをどうぞお確かめください。そのようにして初めて、中国語によるインバウンド・プロモーション方法の具体的手法という、さらなる一歩を踏み出せます。

 

参考URL:
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/since2003_tourists.pdf
http://www.dbj.jp/ja/topics/report/2016/files/0000026691_file2.pdf
http://ascii.jp/elem/000/001/570/1570006/

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