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インバウンドとは?
最近インバウンドとよく聞くけど、いまいちよくわからないという方もいらっしゃいますよね。
ということで、まずはじめに、インバウンドに関する基礎的な情報をみなさんと共有しようと思います。
言葉の定義”インバウンド”
元々は「外から中に入り込む」と言う意味がある「インバウンド」。近年では、外国人旅行者が日本に多く訪れていることから、「インバウンド=外国人旅行者が自国へ訪れること」を指すことが多くなってきました。
反対にアウトバウンドとは、「中から外へ」。旅行の場合、日本人旅行客が外国に訪れることと理解して頂ければ良いかと思います。
訪日外国人観光客数 状況
日本政府観光局(JNTO)の推計によると、2016年の1年間に日本を訪れた外国人客は過去最高の2,403万人を記録しました。
政府が2020年までに掲げた訪日観光客数年間2000万人の目標をすでに達成できたことから、2016年3月に官邸で開いた「観光ビジョン構想会議」において、訪日観光客数を2020年に4000万人、訪日客の消費額を8兆円まで引き上げる新たな目標を発表しています。
また訪日外国人のうち韓国、台湾、香港、中国の4カ国が80%近くを占めており、これからもアジア系の外国人を中心に、リピーター観光客の増加が予想されます。
訪日中国人の状況
訪日中国人数
中国人訪日推移は’13年から急激に上昇しており、2016年は637.4万人訪れていることがわかります。中国経済の急激な成長により、海外旅行する中国人が増えたことと、ビザ取得の緩和などが要因として挙げられます。
また月別訪日推移も年々増加しており、一年の中でも7月に訪れる数が多い事がわかります。
旧正月(引用01)と国慶節(引用02)には多くの訪日中国人観光客がきています。また九州へはたった2,3時間のフライトでリーズナブルな直行便も多く発着しており、九州への旅行は気軽に行うことができるようです。東京、大阪にしても中国沿岸部からは4、5時間と比較的簡単に来れることがわかります。
旧正月とは、旧暦の正月のこと。旧暦1月1日は、通常雨水(2月19日ごろ)の直前の朔日であり、1月21日ごろから2月20日ごろまでを毎年移動する。旧暦で平年だった年は翌年の旧正月は約11日後退し、閏月があれば約18日進む。
国慶節(こっけいせつ、拼音: Guóqìng jié)または国慶日とは、中華人民共和国および中華民国(台湾)の祝日の一つ。中華人民共和国では10月1日を国慶節、中華民国では10月10日を国慶日と定めている。Wikipedia
日本では近年、より多くの中国人観光客を呼び込むべく、中国人観光客に対するビザ要件緩和措置を積極的に行っています。ビザの取得が容易になったため、日本は中国人旅行者にとって手軽な海外旅行先となってきています。
まだノービザ滞在にはまだ至っていないですが、その日がやって来るのもそう遠くないかもしれません。
しかし、逆に容易に来られるためか、長期の休みがもらえる祝日に日本に訪れる人は減ってきているようです。
訪日中国人の滞在日数
滞在日数は世界の全体平均と比べて若干長いようです。しかし10年前と比べて2分の1近く減ってきているというデータもまた事実です。
訪日中国人の支出額
訪中国人は訪日回数が増えるごとに支出額はアップしていくことがわかります。また日本では女性を第一ターゲットとすることが多いですが、一概に女性客を囲えば男性客も付いて来るというわけではないという関心深い情報も中国人スタッフから聴取できました。
また最近メディアでは中国人の爆買いが落ち着いてきたと報道していますが、観光庁は、「中国人の爆買いが減った理由」について、次の3つ要因を挙げています。
「中国人の爆買いが減った理由」
①2015年より対人民元で円高となったこと
②2015年まで日本を初めて訪れる富裕層が多かったが、2016年からはリピーターや中間所得層が増えたため、高級品より日用品に関心が向くようになったこと
③2016年4月から中国人が外国製品を持ち帰る時にかかる関税が上がったこと
訪日中国人の購入者単価
中国人は全体的に客単価が高く、買物代123,724円で、家電製品や化粧品44,894円、医薬品31,943円とかなりの高客単価旅行者であることがわかります。
その他を見ても全体的に一人当たりの客単価が高く、その客単価は訪日外国人の中でNo.1です。
訪日中国人の観光目的
訪日中国人の期待内容は旅行前は「日本食を食べること」に63.3%、「自然・景勝地観光」に58.6%、「ショッピング」に63.6%と高い期待を持ち、旅行中は「日本食を食べること」94.5%、「自然・景勝地観光」82.2%、「ショッピング」90.7%と期待値はさらに高くなっています。またその他「繁華街の街歩き」にも80.5%と高い期待が寄せられています。
しかし旅行後は、それらのどの項目も数値が下がっていますが、「自然体験ツアー」や「日本の歴史・伝統文化体験」をしたいと希望する人が増えていることがわかります。
訪日中国人の決済方法
訪日時の決済方法は現金、クレジットカード、デビットカードでの支払いが全体の多くを占めています。
また中国国内では現金の代わりに、銀聯カード、Wechat pay、支付宝(アリペイ)などを使用しています。
銀聯カードは、中国でもっとも使われているデビットカードのことで、Wechat Payは中国版LineのWechatに備え付けられているスマホ決済機能のこと。またアリペイは、中国ネット通販最大手”アリババ”が提供する電子決済サービスのことです。
このあたりの決済のことは非常に重要になりますので、後日詳しく解説いたします。
まとめ
ここまで日本へ最も多く訪れる国の一つである中国人の現状をまとめてきました。大規模な支出額を占める訪日中国人の流れは衰えを知らず、またリピーターとなればさらに支出額が上昇していくことが今回わかりました。より多くのリピーターを呼び込むために継続的にプロモーションをかけることは非常に重要なことでないでしょうか。
観光目的がショッピングだけでなく体験、文化などにも興味を示すなど、変化が見られるこれからの中国の動向は今後もチェックしておかなければなりません。
データ引用元
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/jnto_databook_2017.pdf
インバウンド情報に関して、ご相談されたい方はこちらからお問い合わせください。
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