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え、韓国人は水炊きが嫌い?
福岡の郷土鍋料理として、有名な水炊き。もつ鍋と並んで福岡の2大鍋料理とも言われ、地元の方から、観光客の方まで幅広く親しまれています。
しかしながら、福岡の鍋料理を提供している飲食店事業者の方々から、
「韓国人の人は、もつ鍋は頼むけど、水炊きはあまり頼まないんだよね。水炊き嫌いなのかな?」
と言った声を多数お聞きしましたので、今回は本当に韓国人の方が、水炊きを嫌いなのか調査してみました。
韓国人のお客様が多い飲食店事業者の方や、インバウンド集客担当の方の、韓国人集客のお役たちができればと思います。
水炊きのことを知らない人は、こちらの記事を参考にされてください。
http://yokaby.com/blog/item/saitouya_mizutaki/
韓国人が水炊きを本当に嫌いなのか徹底調査!
今回水炊きが本当に韓国人の方に人気がないのかに関する事実、そしてその理由を下記の二つの方法で調査しました。
・韓国人旅行者に街頭アンケート
・韓国人スタッフに水炊きが人気がない理由を詳しくインタビュー
韓国人旅行者に街頭アンケート
まずは、本当に韓国人客に水炊きがないのか、実際に街頭アンケートをとりました。
「福岡に訪れたら食べたいものはなんですか?」と聞いた集計データが下グラフです。
街頭アンケートの結果、福岡で食べたいものとして「水炊き」を選んだ人は一人もいませんでした。
飲食店の方々がいうように、韓国人客に水炊きの人気がないことは本当のようですね。
しかし、果たしてこれはなぜなのでしょうか。(あんなに美味しいのに!!)
韓国人スタッフの”オリムくん”にインタビューを実施して、韓国人の方に水炊きが人気がない理由を教えてもらいました。
韓国人に水炊きが人気のない理由は?
韓国人スタッフ インタビュー内容
韓国人スタッフ”オリム”くん
Q:まずアンケート結果を単純に読み解くと水炊きの人気が低いけどそれはなぜだろう?
オリム:
そもそも観光客は日本にいる時間が限られています。その限られた時間の中で「せっかく日本に来ているから本場の味を楽しみたい!!」という思いがあり、短時間でいかに異文化に触れられるかを旅行の際に重要視していると思います。
だからこそ、ラーメンや寿司など、伝統的で有名な”THE JAPAN”のイメージがあるものが好まれる傾向はありますね。
また福岡で有名な”もつ鍋”は、異文化を体験できる代表的なものです。実際に韓国でも、もつを食べる文化はあるけれどメインになることはないためそう感じるのだと思います。
逆に鶏肉鍋料理の水炊きは、韓国ではチキンを使った料理が多いため、チキン料理なら韓国料理の方が優れているイメージを持っていると思います。
また水炊きは、韓国伝統料理の”サムゲタン”にとても似ていて、あまり日本らしさを感じられないため、水炊きの人気が低いのかもしれません。
Q:と言うことは、別に水炊きの味が嫌いというわけではない?
オリム:
そうですね。私も食べたことがありますが、味自体はかなり美味しいですし、韓国人の口にも合うと思います。
Q:それなら訪日が初めてではないリピーター観光客は水炊きを食べたいと思うかもしれない?
オリム:
そうですね。今まで食べたり体験したことがないものの中で、比較・検討した結果、水炊きを食べたいと思うことはあると思います。
Q:水炊きとサムゲタンが似ているって言ったけど、そもそもサムゲタンはどういうもの?
オリム:
韓国人スタッフ:サムゲタンはざく切りしたチキンをまるごと1匹分入れる鍋のことで、価格は1,500円〜3,000円程度です。
伝統的に韓国の一番暑い日の三伏(初伏、中伏、末伏)に食べられていて、栄養補給の意味で食べるような特別なイメージ。あまり安いイメージはないですね。
Q:それなら水炊きの価格はサムゲタンに近いので、価格が高いという理由で避けられることはないかな?
オリム:
そうですね、価格設定より韓国では食べられないというイメージを持たせること、つまり異文化を強調することが重要だと思いますね。
例えば、韓国のサムゲタンには柚子こしょうやソース(ポン酢など)がないから、それらを視覚的に伝えるとかは効果的だと思いますよ。
水炊きだけを写真で撮ったら、サムゲタンとの違いは伝わらないけれど、水炊きの食べ方を写真で伝えることで「日本ではチキンを使った鍋にこんな調味料を使うんだ〜」「チキンを使った料理で韓国にあるから、候補に挙がってなかったけどこんなにも違った食べ方だったなんて知らなかった」と興味を引くかもしれないです。
まとめ
今回は福岡の代表的な鍋料理である水炊きが、韓国人から人気がないとのことで、その事実を突き止めた上で、それがなぜなのか記事をまとめました。
筆者である私は、”韓国人は酸味が強いものを食べる文化がないから人気がない”のではないかと思っていましたが、実際の理由は、水炊きの味が嫌いというわけではなく、ラーメンやもつ鍋に比べて認知度が低いということ。韓国の伝統的料理に似ているという理由からあまり食べられていないということがわかりました。
結果的に、今現在は水炊きの人気は低いようですが、水炊きの味が嫌いというわけでないということがわかったのは、とても大きなことでないでしょうか?
また韓国人スタッフ”オリム”くんが伝えてくれたように、視覚的に韓国の伝統料理との差異を伝えるため、韓国にはない柚子こしょうなどの調味料を写真でアピールしたり、博多特有の水炊きの食べ方”博多鍋奉行”について伝えることで韓国人からの印象は大きく変わるかもしれません。
今後韓国人の方に水炊きの美味しさや日本ならではの独自性が伝わり、人気になると嬉しいですね。
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